紋紗織

「顕紋紗(けんもんしゃ / Figured Gauze)」
「顕紋紗(けんもんしゃ)」は、紋紗織(もんしゃおり)と呼ばれる絡み織りの一種です。
大分類となる「紗織」とは、絡み織りで織られた薄いガーゼやレースのように透け感のある織物のことを呼びます。
「紋紗織」は紗織の中でも、絡み織りと平織り、朱子織りと、複数の織組織の組み合わせにより、紋様を表現したものです。
今回使用したのは、紋紗織の一種である顕紋紗。通常、織物は経糸を真っ直ぐに張り、緯糸を組み合わせることで織っていきますが、「顕紋紗」は経糸を左右に開閉して柄を表現しています。
特殊な織り目であることから通常の織機では織れない、極めて貴重な織物です。

「顕紋紗」の歴史的背景
「顕紋紗」は奈良時代から存在が確認されている織物の技法です。
かつては公家装束の夏の衣料に用いられたものですが、現在は宮中儀式の装束や神宮浄衣、僧侶法衣、能衣装などに用いられることが殆ど。
さらに、こういった夏物は限られたシーズンの需要となることから、年々生産量が減っており、織ることのできる機屋も数が少なくなっているのが現状です。
「顕紋紗」を織る、旭ネクタイ工業株式会社について
創業1937年、90年近く続く、ネクタイ生地を主に生産している織屋です。
特殊な技術を要する「顕紋紗」を40年以上も織り続けている織屋の一つとなります。
織物に対する思いの強さ、そして独自の経験と技術から、細かい部分を微調整を重ね、「顕紋紗」の柄を作成していらっしゃいます。
旭ネクタイ工業株式会社では、1mの幅の織機で「顕紋紗」を製織しています。
広幅と呼ばれるこの生地幅は、「顕紋紗」を織る織機としては珍しく、テキスタイルとして様々な転用が効くサイズです。
京都西陣は着物の産地であるため、広幅の織機は多くないことから、織機自体が稀で貴重な存在です。
顕紋紗の織機と杼
顕紋紗の生地と杼
風合い豊かな青の「絣糸」
一部の緯糸には、「西陣絣」という特殊な染色をした糸を使用しています。
絣染めとは一本の糸を部分的に2色以上の色に染め分けられた糸のことをいい、部分的に染め分けることで模様を作ります。
西陣では経糸に西陣絣を使う「経絣」が主ですが、今回の織物である「顕紋紗」は経糸の遊びに特徴があるため、その良さを生かすために、今回は緯糸のみに使う「緯絣」で織っています。
多彩で美しい絣染めの糸をお楽しみいただける、独特な風合いの生地に仕上がりました。
ボビン・絣糸と杼
ボビンに巻いた絣糸

KINSHOKUネクタイ 紋紗織 Figured Gauze
大剣の裏地をなくし、清涼感のある三巻(みつまき)で仕上げました。
柄は無地とストライプの2つを展開しています。
ネクタイ生地の白と青を際立たせるために、メッシュ状の黒い芯地を採用。
デリケートな生地の特性上、ミシン縫いができないため、職人により一本一本手縫いで仕上げられています。

KINSHOKU 紋紗織 Figured Gauze 無地ポケットチーフ
生地特有の透け感や、折り重ねた時の表情を最大限に楽しめるポケットチーフに仕上げました。
端は千鳥縫いで縫製し、生地の上品さを強調するスッキリした印象に。
やや細身の紋紗織のネクタイと一緒に使うときに、印象が揃えやすいサイズで作っています。
また、ネクタイと同様に、生地がデリケートで縫製が難しいため、熟練の職人が縫い上げています。

ネクタイとチーフの組み合わせ
無地のネクタイと、無地のチーフは同じ生地を使用しています。
セットで使用いただくことで、一層爽やかな胸元をお作りいただけます。
チーフは折り方により、様々な表情の演出が可能です。ぜひお楽しみくださいませ。
ネイビー
ネイビー
ブルー
ブルー